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No.0526「OverFlow」
![No.0526[OverFlow]](../uoaw2011/overflow.jpg)
開花の遅れた桜も、ようやく絶好調♪今年は出店なんかは少ないけど、それでもこの陽気に、カメラ片手の見物客をちらほらと見かける…
そんな俺も、カメラとはがきを持ち…
「こんな日に選挙?」
仕方ないけど…
「とっとと済ませて行きますか…」
桜並木を足早に抜け、投票所として開放されている体育館に飛び込みちゃっちゃと…
「ちょっと遅れそうだ…」
実は待ち合わせ中…1分遅れる毎に、キックが1本ずつ増えるルール…
「まだ5分っ」
それでも5発だ…ダメージを受けるには十分過ぎる…
慌てて桜並木へと戻り、キックの鬼の姿を…
「あ」
「う」
一瞬足が止まり、時計の針が1つ進んだ…
「…お手柔らかに…あれ?」
「おおお、遅かったね♪」
キックが無い…
と、ゆーか、今咄嗟に何か隠したろ?
「…武器…?」
「はい?」
違うらしい…が…なんか顔赤い?
「ちゃんと行ってきた?投票?」
「そういうチミは?」
「私未成年♪」
嘘付け…
期日前投票に行ってきたの～♪と、先日言ってたばかりだ。
「じゃ行こうか～♪」
が…キックが無いのが大変気になる…
それにその不自然に手を隠してるのが大変気になる…
やはりキックよりも効果的なナニかを隠し持っているか…?
「えーと」
「うん?」
「じゃんけん!」
「ぽ…あわわわっ!」
グーだ。
いや、正確には何かを握っておりまして…
「おいしいそうだな…」
「…う…うん♪」
効果的なビールじゃなイカ?
「未成年と言わなかったっけ」
「うう…」
「あぁ、19歳(HEX)ね」
「デシマルで言いなさいっ!」
"んどご"
「おうっ!」
1発目が…
(いや、これは加算分…)
「…つか、先にお呑みですか…?」
「え、あ、うん、あははは♪」
わずか6分をガマン出来なかったとっ!?
「だからジャンケンで引っかかるのですよ…」
「そ、それは条件反射で～…」
「顔赤いし…」
「よ、陽気のせいだってば～…」
「これから呑みに行こうとゆーのに…」
「だだだ、大丈夫だって～…」
赤い顔が更に赤くなる…
「ささ、ほらほら、行くよっ」
そして、スタスタと呑み屋方向に向かって…
「…キック免除…(1発あったけど)」
身の危険が去ったのに…
何だろう?この物足りなさは…?
「待て待て、ヘリカルホイップ…」
「へ?何それ?」
無言で頭上を指差す…
「…」
「…」
目の前を風に運ばれた花びらが舞う…
青い空の中へと吸い込まれてゆく…
飛び膝蹴りで吹っ飛ぶ俺も共に…
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