wakachan[AtelierMW]web [すちゃらか絵日記(絵日記ブログ) 2001年5月27日-2001年6月2日]

すちゃらか絵日記(絵日記ブログ)

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2001年5月27日-2001年6月2日

No.02136 2001年6月2日(土曜日)
【なんというタイトルがいいんだろう?…だってさ】

　「ふう、こんなモンか…」
　やっと部屋を片付け終った…それにしてもこうスッキリしていると、気持ちよさと寂しさと同時にやってくるな、まぁ、いいけど…
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　俺はようやく念願の”まいおふぃす”を持つ事が出来たのである。
　ちょっと汚いビルではあるが、大きな川に面したビルで、窓を開ければそこには清々しい景色が広がる、川とは言え、視野には海まで入っていた。うぉーたふろんととか言うのだろうか??この物件は大当たりだったな。日当たり良好、潮風も心地よく、これなら仕事もはかどるってモンだぜ。
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　まぁ、ちょっとだけ気になる事と言えば、対岸に家のビルよりもはるかにキレイな高層ビルが立ち並んでいるのがアレだが…上を見ちゃうとキリがないし、これでも充分に贅沢だからヨシとしておこう。
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　真新しい白い机を購入し、それを窓辺に寄せた…今はキレイだが、だんだん汚れていくのも目に見えている…なんせタバコがな…
　”コンコン”、”ガチャ”
　「待ってたの着たよー」
　元気のいい声と一緒に、最近仕事を手伝ってくれている彼女が、でかい「時間帯お届け」の白封筒を持ってやってきた。
　「おう、すまん。待ってたんだよ、この資料。今月が締め切りだからな」
　俺は受け渡された封筒を開ける…
　「げ!こんなにMO入ってる…しかも、128MBやら230MBばかりだ…FDも混ざってんぞ…」
　どうせならCD1枚に焼いてくれればいいものを…でもこれが仕事…どういうものが着ても文句は言えないよな…頭の中でブツクサ文句をタレながらも、白い机の上にそれを並べていく…
　「あはは、今お茶入れるね〜」
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　「あ、くも…」
　傍に立つ彼女が言う。
　「そうだな、いい天気だ…青い空に白い雲…」
　彼女の話に合わせるかのように窓の外に目をやる。しかし、彼女の視線は別のところにあった。
　「違うよ、天井だよ…」
　「へ?」
　その視線に俺も視線を合わせる…すると天井には1匹のでっかい蜘蛛がデンと…
　「ぐあ!!」
　思わずイスから落ちる俺。何がキライかって、俺にとって蜘蛛は雨の次にキライなモノだったりする。なんせ、人様よりも目や足の数が多いのがシャクだから…ってのはウソだが、ともかく嫌いだ。サイズのすもーるなやつはまだいいんだが、今目の前にいるのは体調50cmもの蜘蛛…そいつが天井から逆さまに張り付いていやがる。
　「な、なんでこんなデカイのが部屋ン中にいるんだー!!しかもなぜ気付かないんだー俺ーっ!!」
　騒ぎたてるも、自分からは何もしない…いや、出来ない…情けないと言えば情けないが、蜘蛛は間接的にも触るのがイヤなモノなのだ。
　「殺虫剤は…げ、まだ買ってねぇ!!」
　こんなびっぐさいずに市販の殺虫剤が効くのかどうかは別だが、俺にとってはそれしか手段は無い。あぁ、なんてこったい…
　「もぉ、しょうがないなぁ…」
　そんな俺の横を通り過ぎ、彼女はモップを手にすると、その蜘蛛の腹を一突きした。
　”うにょろ〜どどどどー…”
　蜘蛛の腹部に空いた穴から大量の水が噴出し、どんどん腹部が小さくなっていく…そしてそのまま蜘蛛は干からびて死んでしまった…
　「す、すまんな、頼りになる…」
　「もぉ、こんなモンで驚かないで下さいよね…本当男らしくないんだから…」
　持っていたモップを持ち返ると、今度は蜘蛛の噴出した液体を掃除し、蜘蛛の死骸を片付け始める…強い、強いよ、チミは…かないませんよ…
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　俺は照れ隠しをしながら、届いた資料にとりあえず目を通し始めた。
　本当は手伝ってやりたいところなんだが、ここは勘弁してもらおう…死骸を触るのもイヤだからだ…
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　「あれ?あのクモ…」
　掃除も終わって俺の横で一緒に資料を見ていた彼女が呟いた。
　「何!まだいるのか??どこだどこだ??」
　「ちがーう!今度は空の雲だよ」
　思わず慌ててしまう俺、彼女は頭を抱えながら、ヤレヤレって感じだ。とうとう「クモ」という単語にすら敏感になってしまったか??
　「あ?あぁ…あははは、で、雲がどうかしたか??」
　とりあえず気を取り直して聞き返す…彼女は俺の隣で空を指差していた、その指の先には大きな入道雲があった。
　「でかいなぁ…まぁ季節柄、こういう風景ってのもあるよな、あはははは」
　しかし、彼女の指は雲ではなく、雲の一点を指していた。
　「ううん…なんか雲の色、おかしくない?」
　「ん?そう言えば、なんか真ん中辺りが黒いな…」
　何かが雲に映ってるんだろうか?でっかい入道雲にシミのような黒い点がある、そしてその点は、だんだん大きくなっていった。
　「わわ!何か違うよ!?」
　彼女がそう発した直後だった、巨大な飛行物体が目の前に出現し、そのまま対岸のオフィスビル群の中へ突っ込んで行った。
　「あれって宇宙船じゃないの??た、大変だよー!!」
　「うわ…燃えてるなぁ…崩れてるなぁ…黒煙が上がってる…」
　「冷静に見ている場合じゃないでしょ!!」
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　「と、ゆー訳で宇宙人だそうです」
　ビルの壁のでっかいディスプレイの中で、アナウンサーらしき人が話している。
　「外観は地球にいる蜘蛛と同じですが、見たのもと同じ形に変身できるそうです…」
　何やら偉そうな人の声も同じディスプレイから流れてくる。俺はそのディプレイを眺めるもなく、音を聴いていた。
　「彼らの目的は何なのでしょうか?」
　「いや…それが…」
　アナウンサーの言葉に詰まる偉そうな人…
　「目的は、永久に変身する事のようです。最初は何らかの目的を持っていたようなのですが、変身する際に、頭の中まで構造を変えてしまうために、前の記憶が無くなっているようで…それでも、見たら変身するとゆー行動だけは残っているのです。」
　なんか情けないエイリアンだ…とか思いつつも、政府はこの事態に対し、近日、緊急対策本部を設置すると、昨日赤坂の料亭で決めたそうだった。
　「緊急対策本部??近日??どこが緊急なんだ?」
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　それから何日かして、俺はまた壁のディスプレイの前にいた。
　例の緊急対策本部の構成案が先々週の本会議で通り、続いて先週に予算案が通り、今週始めに対エイリアン部隊が構成されたのだそだ。うむ、異例の早さだ、やるな、政府。
　そして今日はその出陣式の中継をやっているのだった。
　「元々の蜘蛛の姿じゃ怖いが、変身しちゃうからなぁ…俺には実害なさそうな話だ…」
　などと意味不明な事を考えていると、ディスプレイの中に2人の女の子の姿が映った。
　「何!?」
　そこにはまぎれも無く、俺のお手伝いさんの彼女の姿が…しかも妙な格好して…、まぁ、顔立ちはいいとしてだ、そのでっかい靴はなんなのだ??身長の半分はあるぞ??
　「お集まりの皆さん、彼女達がエイリアンと戦う師官です」
　司会者のような男が説明を始める…と同時にあちこちでフラッシュの光が炸裂。
　「失礼、後ろの男性は誰ですか?」
　新聞記者のような男が司会者らしき男に問い掛ける。
　「彼は彼女達のキーボードの代わりです」
　はっ??なんだそれ??しかし、ディスプレイの中に映っている民衆は「をを!!」と歓声をあげ、拍手まで送っている…い、意味が判らん。
　ちなみに、2人いる女の子の内、片方は俺のお手伝いである事は間違いない…しかし、もう1人のほうは…誰だ?随分と顔立ちが似ているようだが、随分とオドオドしている感じだ…それに師官ってどういう意味なんだろう?指揮官ならまだ通じるんだが…
　「やっぱモップで突いて戦うんだろうか?」
　色んな疑問はあったが、真っ先に俺が思いついたのはそんなモノだった。