ArtWorks Library
No.0319「幼少のリアルな幻想」
今日は年に一度、お母さんと遊べる日お母さんは、いつものお気に入りの木陰で私の作った紅茶を飲む
ボール投げをする、お人形で遊ぶ、お話しをする
でも手を握れないのはなんでだろう?お顔もよく見えないの
そしてその日も終わり、お母さんは帰っていった
どこへ帰ったかは知らないけれど、お空に上がっていくと言っていた
その日の話しをお父さんにする
お父さんは痛いほど強く私を抱きしめると
「もう寝なさい…」
と言って私をベットへ寝かせる
お父さんは毎日忙しい、朝も早いし、夜も遅い、
でも今日はお家にいたなぁ・・・お母さんがいたからかしら?
明日もまた飛行機で出張だと言っていた
お父さんにもお母さんにも、私はなかなかゆっくり会えない、
二人はどうやって会ってるのかなぁ…
そういえばお母さんが帰る時に言っていた
「もうすぐお父さんといつでもいられる様になるの」
お父さんの乗る飛行機はお母さんの近くを通るのかしら?
「わたしは?お父さんが出張に連れて行ってくれれば会える?」
その問いにお母さんの答えは無かった…
空港まで行ってしまえばお父さんも私を帰す事は出来ないだろう
私はお気に入りの人形を持って、明日、お父さんの車に隠れて乗る
3人で一緒に遊べる事を願って…
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