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No.0529「もっぽんくだにゃいにゃ」
9月になっているとゆーのに、相変わらず厳しい残暑が続く毎日…ちょいと一雨…なんて期待して、でかいのに来られても困るけど…
「家帰っても暑いんだよなー…」
風通しの悪い家では、まだまだエアコンががんばっておられる。
節電の関係とかで、なるべく使わないようになど、工夫はしてみたけど、耐えられない時はやはり耐えられない。
「冷たいモンでもクイっと…♪」
唯一の救い、命の水…手にしたコンビニ袋の中には、水も滴る缶ビール♪
いつもは発泡酒だけど…
「ただいま~…」
って、一人暮らしだけど…
「にゃ~」
「…」
「にゃ~」
「…」
一人暮らし…ペット禁止…(アパート)
今確かに俺は玄関の鍵を開けた訳で…まさか、窓開けっ放しだったとか!?
が、視界にあるモノが入った…
「にゃ~」
「…」
「にゃ~」
「よっこらせ…」
「にゃ~」
"がさがさ"
「にゃっ!」
"ぷしゅ"
「にゃにゃっ!」
「ごきゅごきゅ」
「にゃにゃにゃっ!」
「ぷは~♪」
"ガシッ!"
"ぺし"
「たい~!!」
「やっと人間に戻ったな…」
知ってる顔があった…
知ってる猫も転がっていた…
「散歩か…?」
「うん♪」
「どうやって入った?」
「玄関♪」
「鍵は?」
「開けた♪」
どのように開けたかは追求しないでおこうか…
何気に足下に落ちている曲がったスプーンが気になったけど…
「猫の散歩をしつつ家寄った…までは理解出来るとしよう」
「うんうん」
「が、その握られたボトルは?」
「空だよ♪」
見れば判る、いや、今朝まで封切ってなかったし…
「それと、その口にくわえているのは?」
「イカ焼~♪」
見れば判る、いや、それは俺の命の水のお供に…って期待していたモノだ…
「猫はイカ食べちゃいけませんっ!!」
「にゃー」
散歩に連れてきた猫も床に広がっているじゃないか?食わせたんじゃないか?
内1匹はこいつがくわえているイカを奪おうと跳ね回ってるし…
「…空じゃん…」
もう1匹は同じボトルを抱えてお休みモードだしっ!つか2本とも空だとっ!?
「この子がボトルで遊び始めちゃって…」
「ほほう」
「危ないから取り上げたんだよね…」
「ほほう」
「そしたらいい香りがして、気付いたら♪」
頬を染めながら…って、照れてんじゃなくて、酔っぱらってるってコトだろっ!?
色々突っ込みドコロがあり、どこから突っ込んでやろうかと思う…
「もっぽん♪」
「ストックを含め、その2本で全部終わりだっ!」
「じゃ、その命の水をくだにゃい♪」
まだ呑むかっ!?
いや、実はこいつ…俺より全然強いし…
「手みやげの一つもナシかっ!?」
「ほしい?」
「…」
一瞬躊躇…
(何を持ってくるか…想像したらちょっと怖かった…)
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