ArtWorks Library
No.0537「だ、ぴょん♪」
桜舞う公園通り早々と春がやってきたのかと思えば、急に冬陽気に戻ってみたり…
「忙しいな、今年は…」
いつ咲くかいつ咲くかと思いつつ、毎年やって恒例の桜の定点観察、
去年と同じかな~…なんて思ってたら急に加速し、まさかの3月中開花だ。
例年ならこの公園通りは花見時期に合わせて提灯を飾っていたのに、今年は間に合わず…花見日和の日曜当日に花見客に混じって装飾作業をしていた。
"ぴょんぴょん"
「…」
"ぴょんぴょん"
「…」
"ぴょんぴょん"
「少しは落ち着きなさいっ!」
舞い散る桜の花びらを追いかける、しかし近づくと自身の起こす乱気流によって花びらは遠くの方へ…
「集めたいじゃない♪」
「集めてどうする?食べるのか?」
そーゆーお菓子もあるけど…
「食べる以外にも…」
あ、それ許容範囲だったのね。
「…」
「…」
だけっ!?
「ほら、漫画とかで…」
「はい?」
「卒業式!ってゆーと、背景が桜だったりするよね?」
話題が変わってる気がするけど、突っ込まないでおこう。
「そうだな、春のイベントだからな」
「でも、卒業式の頃って、まだ桜は咲かないよね?」
「…あー…確かにな、ちょっと早いよな…」
「あと、入学式なんかも背景桜だけど、時期終わってるのが多いよね?」
うむ、普通春休みなんかが終わる辺りは散り初めか葉桜になっているであろう。
(関東圏での話題に限定されるだろうが…)
「だから今年はラッキー♪」
「は?」
「卒業式の時、満開じゃなかったけど、そこそこ咲いてくれたし♪」
「…ふむ…」
「入社式の時も、散り始めてたけど、前日までは花見日和だったし♪」
「…入園?」
「入社っ!社会人っ!」
「どなたが?」
「わたしっ!」
無理ありそうだが…それはこの絵の作者の責任だ(笑)
「だからお祝い♪」
って言いながら両手をこっちに差し出してやがりますよ…
「ランドセルか?」
"どすっ"
「おごっ!」
差し出された両手が、そのままみぞおちをド突いてた…
「しゃ・かい・じんっ!」
「れつ・ざい・ぜん…」
「え?」
大きな社会人にしか通じないか… PREV >